マディラワインの魅力:独特な風味と製造工程

ワインの入門者
マディラワインの製造工程について教えてください。

ワインソムリエ
収穫されたブドウは品種ごとに、醗酵の初期から終了直前まで異なるタイミングで96度のアルコールで酒精強化されます。

ワインの入門者
その後の熟成方法にはどんなものがありますか?

ワインソムリエ
天然の太陽熱を利用した『カンテイロ』での熟成と、人工的な加熱装置『エストゥファ』を使用した熟成があります。
マディラワインとは。
マデイラワインは、ポルトガル領マデイラ諸島で造られる酒精強化ワインです。辛口の白から甘口の白、辛口の赤から甘口の赤まで、幅広い味わいが楽しめます。アルコール度数は17~22度です。
ブドウは品種ごとに収穫され、発酵の初期から終了直前まで異なるタイミングで96度のアルコールを加えて酒精強化します。その後、加温して熟成させることで独特の風味を持ちます。この加温には、伝統的な「カンテイロ」方式(倉庫で自然の太陽熱を利用する)と、「エストゥファ」方式(人工的な加熱装置を使用する)の2種類があります。
【主要品種】セルシアル、ボアル、マルヴァジア、テランテス、ヴェルデ―リョ、ティンタ・ネグラ
【甘辛度】辛口~甘口
マディラワインとは

マディラワインとは、大西洋のポルトガル諸島にあるマディラ島で作られる、アルコール度数の高い甘口ワインです。マディラワインは、温暖な気候と火山性の土壌によって育まれた、希少なブドウ品種を使用して作られます。ユニークな製法により、特徴的な琥珀色とナッツのような香ばしい風味を得ています。
マディラワインの味わいの幅広さ

マディラワインの味わいの幅広さは、その独特な製造工程によるところが大きい。マディラワインは、通常、高温の環境で熟成され、酸化的な反応によって独特の風味と複雑さを獲得します。この熟成方法は、ワインの味わいに鮮やかな色合いとナッツのニュアンス、キャラメルやコーヒーの風味を加えます。
熟成期間と温度によって、マディラワインの味わいは大きく異なります。短期間熟成されたワインは、フレッシュでフルーティーな味わいを持ち、長期熟成されたワインは、より複雑で濃厚な味わいに変化します。また、高温で熟成されたワインは、甘みが増し、低温で熟成されたワインは、ドライでミネラル感のある味わいになります。
酒精強化と熟成の独特なプロセス

酒精強化と熟成の独特なプロセスがマディラワインを他のワインと一線を画す特徴の一部となっています。収穫されたブドウは、通常はアルコール度数15~18%になるまで発酵させられます。その後、ワインは蒸留酒(通常はブランデー)で酒精強化され、そのアルコール度数を20~22%まで上げます。酒精強化によって、ワイン内の酵母が破壊され、発酵が停止します。
強化されたワインは、オーク樽に移され、そこで10年から最大100年もの間熟成されます。この熟成期間中、ワインは酸素と接触し、独特の風味と香りを発達させます。熟成の過程で、ワインは蒸発するため、量が減り、濃縮されます。また、ワインは樽からタンニンとバニラの香りを吸い取り、複雑さと深みが増します。
カンテイロとエストゥファによる温め方法

カンテイロとエストゥファによる温め方法
マディラワインの製造工程において、重要なプロセスの一つは温めです。これには2つの伝統的な方法があります。
「カンテイロ」法では、ワインをオーク樽に詰め、日中は屋外の太陽光にさらした後、夜間は涼しいセラーに戻します。この温度差により、ワインがゆっくりと酸化し、複雑な風味と香りをもたらします。
一方、「エストゥファ」法では、ワインを密閉したオーク樽に入れ、一定期間、温室状の部屋で加熱します。この方法では、酸化がより急速に進行し、ワインに濃縮された風味とナッツのような香りを与えます。
使用されるブドウ品種

使用されるブドウ品種
マディラ島の独特なワインの風味は、主に2つのブドウ品種によるものです。白ワインのベースとなるのが「マルヴァジア・カンディディダ」で、高い酸味とフルーティーな香りをもたらします。赤ワインには「ティンタ・ネグラ・モレナ」が使用され、しっかりとしたボディと豊富なタンニンが特徴です。この2つのブドウ品種の組み合わせが、マディラワインの複雑で風味豊かな味わいをつくり出すのです。
