ボルドー液→ ブドウ栽培で重要な防除薬
ワインの入門者
「ボルドー液」について教えてください。
ワインソムリエ
「ボルドー液」は、ブドウ病やベト病などのカビの防除に使用される農業用溶液です。
ワインの入門者
いつ頃、どのように開発されたのでしょうか?
ワインソムリエ
19世紀後半に、ボルドー大学の教授がメドックのブドウ畑で試験を行い、その効果が確認されました。
ボルドー液とは。
ワイン用語「ボルドー液」とは、硫酸銅と生石灰を水に溶かした液体のことです。ブドウの病気であるべと病やカビの予防に使用され、世界中のブドウ畑で広く使われています。19世紀後半、ボルドー大学の教授がメドック地方のブドウ畑で試験を行ってその効果を確認したことから、ボルドー液と呼ばれるようになりました。
ボルドー液とは何か?
-ボルドー液とは何か?-
ボルドー液は、ブドウ栽培において重要な防除薬として知られ、1885年にフランスの植物学者アレクシス・ミラルデによって発見されました。この液剤は、水、硫酸銅、消石灰から作られます。硫酸銅が殺菌成分として働き、消石灰が酸性度を緩和します。この組み合わせにより、ボルドー液は病原菌を効果的に防除しつつ、ブドウの木に害を与えません。
ボルドー液の歴史
ボルドー液の歴史は古く、1885年にフランスのボルドー地方で、ピエール・マリー・アレクシス・ミラールデによって発見されました。当時、ブドウ栽培を悩ませていたうどんこ病対策として、硫酸銅と水酸化カルシウムを混ぜ合わせたものが有効であることが判明しました。この液体は、青みがかった色をしていたことから「ボルドー液」と名付けられました。その後、ボルドー液はうどんこ病以外にも、べと病や灰色カビ病などのブドウの病気にも効果があることがわかり、世界的に広く使用されるようになりました。
ボルドー液の効果
ボルドー液の効果
ボルドー液はブドウの病気を防除する効果に優れています。とくに、晩腐病や黒とう病などの菌類による病気に対して効果を発揮します。この薬剤は、銅イオンとヒドロキシドイオンを含むため、病原菌の細胞壁を破壊し、細胞内のタンパク質を凝固させます。これにより、病原菌の増殖が抑制され、ブドウの病気の発生が抑えられます。また、ボルドー液は吸着性が高く、葉や果実に長く付着するため、持続的な効果が期待できます。
ボルドー液の用法
ボルドー液の用法は、ブドウ栽培において重要な防除薬として広く使用されています。一般的に、ボルドー液には予防効果があり、病気の発生前に使用することで効果を発揮します。具体的には、ブドウうどんこ病やべと病などの真菌病に対して防除効果があります。
ボルドー液の散布時期は、ブドウの新梢が展開し始める頃から、収穫期まで行われます。散布の頻度は、病気の発生状況や天候条件によって異なりますが、通常は10~14日ごとが推奨されています。
散布する際には、ボルドー液を葉や房全体にまんべんなく散布することが重要です。散布後は、雨や露にさらされるのを避けるようにします。また、収穫前の7~10日間は散布を控えることで、残留農薬を軽減できます。
ボルドー液の注意点
-ボルドー液の注意点-
ボルドー液を使用する際には、いくつかの注意点を考慮する必要があります。まず、ボルドー液は銅を含有しているため、果実に銅の蓄積を引き起こす可能性があります。そのため、収穫期の近い時期には使用を避ける必要があります。
次に、ボルドー液はアルカリ性に弱いため、石灰や灰と一緒に使用すると中和されて効果が低下します。また、雨によって流されやすいため、雨が降るときは使用を避け、乾燥した日に散布することが重要です。
さらに、ボルドー液は果樹や野菜に薬害を起こす可能性があるため、使用する際は濃度を適切に調整し、葉の裏側を中心に散布するようにします。また、桃やバラなどの一部の植物にはボルドー液が適さないことがあるので、使用前に必ず確認が必要です。